お香を海外へ持って行けるかは、「お香だから一律に可・不可」とは判断できません。渡航先、原材料、形状、数量、機内持ち込みか預け荷物か、さらに点火具の有無で確認先が変わります。出発前に、商品表示を手元へ残し、渡航先の税関・植物検疫当局と利用航空会社へ確認するのが基本です。
先に確認する5項目
- 渡航先と乗り継ぎ国
- 完成したお香、香木、粉末、樹脂、オイルなどの形状
- 沈香など規制対象になり得る原材料の有無
- 手荷物・預け荷物の区分
- ライターやマッチなど点火具を一緒に持つか
掲載画像は説明用に生成した概念図で、持込み可否、実在商品、公的手続画面を示すものではありません。
最初に商品表示と中身を確認する
まず、パッケージや販売ページで品名、原材料、形状、内容量を確認します。乾燥したスティック香、コーン香、粉末状の抹香、香木片、樹脂、香油では、植物検疫や航空手荷物の確認内容が同じとは限りません。
原材料が分からない商品は、販売者へ確認してください。「天然香料」「香木使用」といった表示だけでは、規制対象種を含むか判断できない場合があります。外箱や商品ページのスクリーンショットを残しておくと、航空会社や当局へ問い合わせる際に説明しやすくなります。

確認先を4つに分ける
| 確認先 | 主に確認すること |
|---|---|
| 渡航先・乗継国の税関 | 持ち込み禁止・制限、申告、数量や価格に関する条件 |
| 植物検疫当局 | 植物由来原料や木片・粉末等に検査証明書が必要か |
| CITES関係当局 | 沈香など規制対象種を含む製品の書類や特例条件 |
| 利用航空会社 | 機内持ち込み・預け荷物、点火具・液体・危険物の条件 |
植物防疫所は、日本から植物類を海外へ持ち出す際の規制は相手国・地域によって異なり、持ち込み禁止品や輸出検査の要否を事前に確認するよう案内しています。相手国が検査証明書を求める場合は、植物防疫所で検査を受ける必要があります。

完成したお香と香木・粉末を同じ扱いにしない
完成した乾燥スティック香であっても、すべての国へ無条件で持ち込めるとは限りません。一方、木片のままの香木、植物片、粉末、樹脂、液体香料は、完成品とは異なる確認を求められる可能性があります。
- スティック・コーン香:原材料表示と数量を確認し、渡航先の税関・検疫へ完成品として照会します。
- 香木片:植物検疫とCITESの両方を確認します。
- 抹香・粉末:植物由来粉末としての扱いを渡航先へ確認します。
- 香油・スプレー:液体物の容量制限や引火性の有無を航空会社へ確認します。
沈香を含む場合はCITESを確認する
経済産業省は、ワシントン条約の対象となる動植物を使用した個人用のお土産品について、すべての条件を満たす場合に限り、外為法上の輸出入手続きが不要となる特例を案内しています。対象例にはアガーウッド(沈香)が含まれます。
ただし、この特例は無条件ではなく、日本以外の国や地域の制度まで保証するものでもありません。沈香・伽羅などの表示がある商品は、学名、原材料、数量、購入記録を確認し、渡航先当局にも問い合わせてください。「少量の個人使用だから必ず大丈夫」と判断しないことが重要です。
お香本体と点火具を分けて確認する
航空会社は、爆発や発火のおそれがある物品について、機内持ち込み・預け入れを制限しています。ANAは、危険物に該当するか出発までに確認できない場合、輸送を断ることがあると案内しています。
ライターやマッチには個数や携行方法の条件があります。お香本体が確認できても、点火具を預け荷物へ入れられるとは限りません。利用便が国際線か、共同運航便か、乗り継ぎがあるかも含め、実際に利用する航空会社の最新案内を確認してください。
問い合わせるときに伝える内容
- 出発地、渡航先、乗り継ぎ国
- 商品名と用途
- 原材料名と、分かる場合は学名
- スティック、コーン、木片、粉末、液体などの形状
- 個数・重量・容量
- 未開封か、使用途中か
- 機内持ち込みか預け荷物か
- ライター、マッチ、炭などを伴うか
回答は、問い合わせ日と窓口名を含めて保存しておくと安心です。制度は変更されることがあるため、以前の旅行で問題がなかったことを、次回の可否の根拠にはしないでください。
持ち運ぶ場合の梱包
持ち込み条件を確認できた場合は、折れ・粉漏れ・香り移りを防ぐため、元の容器または密閉できる容器へ入れます。原材料表示は捨てず、製品と一緒に保管してください。香木や粉末を別の無表示容器へ移すと、中身を説明しにくくなります。
- スティック香は硬い外箱や筒で折れを防ぐ
- 粉末・樹脂は容器のふたと外袋を二重に確認する
- 衣類や食品から分け、香り移りを防ぐ
- 高温多湿や直射日光を避ける
- 点火具は航空会社の指定どおり別に扱う
判断できないときは持って行かない
原材料が分からない、相手国の案内を確認できない、航空会社から明確な回答を得られない場合は、持参を見合わせるのが安全です。現地で合法的に販売されている商品を、現地のルールに従って購入する方法も検討してください。
よくある質問
未開封なら必ず持ち込めますか?
未開封であることだけでは判断できません。渡航先、原材料、形状、数量により規制が異なるため、商品表示をもとに当局と航空会社へ確認してください。
機内持ち込みと預け荷物はどちらがよいですか?
航空会社と品目によって扱いが異なります。特にライター、マッチ、液体香料は、お香本体とは別の条件があります。利用航空会社の案内に従ってください。
沈香のお香を少量だけ持つ場合も確認が必要ですか?
必要です。個人用の特例が適用できる場合でも条件があり、渡航先側の制度は別に確認する必要があります。
まとめ
お香を海外へ持ち込む前は、商品表示を確認し、渡航先の税関、植物検疫、CITES、航空会社の4つに分けて調べます。完成したお香、香木、粉末、液体、点火具を一括して判断せず、分からない場合は持参を見合わせましょう。
参考情報
- 植物防疫所「旅行者(携行品)」
- 経済産業省「個人の方向けの特例制度に関する情報」
- 経済産業省「知っていますか?ワシントン条約 お土産編」
- 税関「海外旅行の手続」
- 国土交通省「航空機での輸送に制限があるもの(危険物)」
- ANA「機内持ち込み・お預かりできないもの(国際線)」
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